2010/06/04

ネット上で、アメリカ人の地理学者とマルクスを読む

アメリカのマルキスト都市社会学者/地理学者、デヴィッド・ハーヴェイがオンライン上で、マルクスの資本論を読むという講座を開いています。英語でのレクチャーですが、 こういう授業がネット上で見ることができるのは、とてもいいと思う。

Reading Marx’s Capital with David Harvey

 

書評!!デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』+ヨアヒム・ヒ ルシュ『国民的競争国家』

Posse member's blog より 引用

まず、デヴィッド・ハーヴェイの『新自由主義』(渡辺治監訳、作品社)。新自由主義(ネオリベラリズム。ネオ リベと略されることもある)といえば、グローバリゼーションによって企業間の競争が厳しくなったので、国際競争力を維持するために規制緩和や法人税削減= 財政コスト削減(要するに、教育、医療、社会保障にかけるお金を減らす)をどんどん進めていくべきだ、という考え方や政策のことを指すと考えられている。 これはこれで間違いではない。けれども、本書においては、もっと広い視野からこの「新自由主義」が捉え直されている。ハーヴェイにおいては、新自由主義と はたんなるイデオロギーや政策ではなく、「階級権力再生」ための政治経済プロジェクトでもあるからだ。

この「階級権力の再生」とは何を意味するのだろうか。要するにこういうことである。第二次世界大戦後の資本主義はかつてないほど安定した繁栄を享受し た。「安定した」というのは、このころの資本主義国家は一定の財の再分配を行い、需要を創り出すとともに、社会的統合をはかっていたからだ。これは自然に そうなったというわけではなく、国際的にはソ連が存在し、国内には強力な労働運動があるという状況のなかで、資本の側が妥協を強いられたという側面をもっ ていた。経済成長が続いているときはそれでも資本の儲けは増えていったのでよかったが、60年代後半から経済成長にかげりがみえるようになると、儲けが増 えなくなり、資本や政治エリートは再び自分たちの儲けを増やす策にでた。それが「新自由主義」なのである。つまり、「新自由主義」とは低成長の時代におい て、これまで行っていた一定の再分配を行うシステムを破壊し、富を再び資本=金持ちのほうへと移転させるためのプロジェクトだったというわけだ。これを ハーヴェイは「階級権力の再生」と呼んだのである。よく「国際競争力」のためには新自由主義的な政策もやむなしということが言われるが、ハーヴェイの示す データによれば、新自由主義が本格化した70年代以降、世界レベルでの成長率は実は一貫して低下し続けており、現実に進んだのは格差の拡大、すなわち多く の低所得者から少数の大企業および高所得者への富の移転なのである。

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